LEDバルブの知識
LEDは静電気で壊れる。LEDバルブの危険な「持ち方」

LEDバルブは、持ち方を間違えると静電気で壊れることがある。空気が乾燥する季節は、特に注意。車のドアノブを触るときに「バチッ」とくる、静電気体質の人も要注意。痛恨の静電気破壊を避けるために、LEDバルブのNGな持ち方・正しい持ち方を知っておこう。
LEDバルブは持ち方によっては静電気で壊れる
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だんだん寒くなってきましたね〜。DIYユーザーの皆さん、風邪引かないように注意しましょう。
●レポーター:イルミちゃん
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それと、これからの季節はアレに注意しましょう。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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アレ?
インフルエンザ? -
……静電気。
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静電気ですか? まあ、パチってくるのイヤですけど……なんで今その話題?
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「LEDバルブを静電気で壊さないように注意してください」という注意喚起ですね。
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なぬ?
LEDバルブって、静電気で壊れるの? -
壊れる場合があります。大きな声では言えませんが、過去には私もやったことありますので。
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静電気でLEDバルブが壊れるとは、思っていない人が多そうな。
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LEDは電子部品ですからね。電子部品は、静電気に弱いのです。
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……じゃあ、同じバルブでも、電球(白熱球やハロゲンバルブ)なら平気なんだ?
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そうですね。電球は静電気が流れても、フィラメントが切れることはないので。けれど、LEDバルブは持ち方を間違えると危ないです。
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……持ち方が関係あるの?
LEDバルブの「NGな持ち方」実例
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そういえば、LEDバルブって、手に持つときにどう持ったらいいのか、よく分かりませんね?
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まず、端子(電極)やLEDチップには触れないように持つことです。
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ええっと、では、こういう持ち方(↓)はNGってことでしょうか?
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ですね、この持ち方は静電気が流れるので基本的にはNGです。
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ごく普通の持ち方に見えるけど……ダメなのか〜。
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ただし、IPFのLEDバルブの場合は、上のような持ち方をしても問題ありませんが。
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それはなぜ?
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サージ対策という、静電気の対策が施してあるからですよ。端子(電極)から静電気が流れ込んでも、それがLEDに流れることはない仕組みを内蔵しています。
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それって、普通はやらないこと?
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そうですね。バルブ設計でサージ対策まで施す例は、むしろ珍しいです。
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そうなんだ。
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バルブに組み上げている段階で抵抗などが付いているし、LEDチップ側でもある程度の静電気対策はしてある、という理由もあると思いますが。
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でも、静電気でEDバルブが壊れるってことは、それでは不十分なのでは?
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静電気といっても、そのレベルはいろいろですからね。軽めなら大丈夫でも、「バチっ」と痛いぐらいの静電気だと危ないってコトです。
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服装にもよりますねぇ。静電気って。
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そうですね。それでLEDのサージ対策容量を超えてしまうことは、いくらでもあるんです。
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なるほど。
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ですからIPFでは、そもそもLEDチップ自体に静電気が流れないように、手前でシャットアウトする対策を施しているんですよ。
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地味な機能だけど、地味に重要な気がする。
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ただし、バルブ側でサージ対策をしてあっても、こういう持ち方(↓)だと防げません。
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この持ち方の悪いところというと……
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LEDチップを直接触ってしまうと、静電気が直接LEDチップに流れるので、手前のサージ対策は意味がありません。
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むーん。
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この持ち方だと、LEDチップ自体の静電気対策容量までしか耐えられないわけです。
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そういうことか。
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ですので、IPFのLEDバルブと言えども、チップを直接触らないでください。
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あんまり気にせず、LEDを触ってしまっていた気がするなァ。
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……。でも、ルームランプをLEDに交換するときなどは、特に注意したほうがいいですよ。
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え。
なぜルームランプ?


正しい持ち方

LEDルームランプへの交換時にやりがちな静電気破壊。なぜか?
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ルームランプを交換するときって、シートに座った状態で作業するじゃないですか。
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衣類とシートの摩擦で、人間に静電気が帯電しやすい状況なんですよ。
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そしてルームランプに手を伸ばす……。
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バチッ!!
ってなるわけです。 -
確かに悪条件ですね。
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しかもルームランプに使われるT10×31とか、T10ウェッジ球は、ボディが小さいから端子やLEDチップを触りがちです。
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確かにそうだ。じゃあ、どう持てばいいの? っていう気がしますね。
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ちなみにIPFのT10×31は、LEDチップがムキ出しではなく、樹脂のケースに覆われています。こういうタイプなら、直接真ん中を持てますね。
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ほえー。
よく出来てるなァ。 -
それから、意外と安全なのがCOBのEDバルブ。
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この場合は、LEDチップがムキ出しではなく、封止されているので、手で直接触ってしまう心配がないのです。
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では、端子部にだけ触れないようにすればいい、ってことですね。
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IPFの場合はサージ対策もしてあるので、このバルブはどういう持ち方でも大丈夫ってことです。
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なるほど。IPFのサージ対策が完璧なのは分かりましたけど、チップムキ出しでサージ対策されていないバルブは、持ち方に困りそうな…。
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まずバルブ交換作業に入る前に、自分の体に帯電した静電気を除電しましょう。
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このときに「パチっ」ってなるのがイヤなんですけど?
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でも、LEDバルブを壊すよりはいいでしょう? 「持ち方」以前の話として、「除電」するのが基本です。
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でも上の除電方法はイヤだから、除電グッズでも買おうかなァ。

電球を外すときはいいけれど…


IPFのLEDルームランプXR-16

IPFのCOB LEDルームランプシリーズのT10×31タイプ。


社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
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