スマホをヘッドユニット化しよう作戦(第5回)
スマホの音楽(音声)を、ナビを介さずに車のスピーカーで鳴らす╱車両配線への接続
スマホの音楽(音声)を車載ナビなしで、車のスピーカーで聴けるようにする方法。今回は配線を車両側につなぐ場面についてだが、純正配線は無加工でいける。電源線とスピーカー線がどれだかわからない(車両配線図がない)場合でも接続できる、変換ハーネスを使ったやり方だ。
純正配線を加工することなく、スマホの音声を車のスピーカーに流す配線方法
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「スマホの音楽(音声)を、ナビを介さずに車のスピーカーで鳴らす╱USB DAC編」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回までで、スマホからマイクロパワーアンプPA2までの接続は終えました。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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2パターンありましたね。
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どちらのコースを取ったにせよ、車両側の配線との接続方法は同じです。
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「車両側につなぐのはマイクロパワーアンプPA2だから」ですね。
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そういうことです。ナビの代わりにアンプ(PA2)をつなぎます。
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DIYラボでも「アンプの取り付け方法」を解説したことがありますが、それは純正ナビが付いている車なのが前提でした…。
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それに対して今回は、純正ナビ(あるいは社外ナビ)が存在しない状況。どうやって配線すればいいのか?
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難しく考える必要はありません。
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ふむ…?
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ナビを取り付ける代わりにアンプを取り付ける、というのはすなわち、接続する配線数も少なくて済みます。むしろシンプルです。
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そうなの?
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社外ナビの取り付けでは、車両側から各種電源ライン・スピーカー線・車速信号などのほかに、バックカメラの線や地デジのアンテナなども接続しないといけませんよね。
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その点、今回はアンプだけの取り付けなので、電源とスピーカー線さえ接続すればいいのですよ。
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言われてみれば、ナビよりずっと配線数が少ない。
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ただし、ここでひとつ問題が生じます。
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あん…?
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オーディオレスの車を買ったとしても、パネル裏にはナビ用の配線が来ている(↓)のが普通ではありますが……
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純正配線の状態だと、どれがなんの配線だか分からないんですね。車両配線図などを見ながら作業するプロの人は別ですが。
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そういえばそうだなぁ。どれがスピーカー線なのか分からないと、アンプだって取り付け出来ないよ。
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そこで便利なのが、純正配線をギボシ端子付きの線に変換する「社外ナビ取り付け用の変換ハーネス」です。
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トヨタのディーラーオプションナビが付けられる車を例にすれば、ビートソニックのハーネス BH1が使えます。
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ナビの取り付けではないのに、ナビ取り付け用の変換ハーネスを使うんだ。
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そのメリットは、この手のハーネスを車両側につなぐと「色分けされたギボシ端子付きの配線」に変換されます。
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この状態になれば、マイクロパワーアンプPA2側のハーネスをつなぐのは、同じ色同士の線をギボシ端子で接続するだけで済みます。
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おお、なるほどね!
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スピーカー線などもフロントスピーカーとリアスピーカーで、それぞれ左/右・プラス線/マイナス線があって合計8本ですが、これも色分けに沿ってつなぐだけで済みます。
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あとは常時電源線やアンプリモート線をつなぎます。アンプリモート線にはACC電源をつないでもOKです。いずれにしても、色分けされているので判別がカンタンですね。
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アンプには必要のないイルミ電源線とか車速信号線とかは余りますけど……
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それはそのままつながなければ済む話です。
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ちなみに今回はトヨタ車のディーラーオプションナビ仕様を例にしましたけど、ホンダ車やニッサン車の場合は?
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ビートソニックにはトヨタ用の変換ハーネスしかないんですけど、ホンダ車やニッサン車でも一般的な「社外ナビ取り付け用の変換ハーネス」を用意すればOKです。
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今回の取り付け方法を行う上でひとつ注意点を言っておくと、マイクロパワーアンプPA2に関しては必ず「単体の汎用モデル」を使います。
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つまり、普通のPA2を使う。
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PA2のシリーズには、トヨタ車用のPA2T1などといった、専用ハーネスモデルも存在しますが、それを買ってしまうと今回のようなギボシ配線接続ができません。
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そうか……。汎用品のPA2だけが、ギボシ配線なんだ。
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PA2T1、PA2H1、PA2N1、PA2M1のような専用品だと、純正ナビのカプラーに割り込む設計になっています。ですから今回のような「ナビ無しでのスマホのヘッドユニット化」には適さないのです。
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PA2ナントカ…みたいな専用モデルではなく、汎用のPA2を使いましょう。
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さて、ここまで配線の準備ができたら、あとは車に取り付けるだけです。
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次回は純正ナビとの入れ替えと、スマホの設置方法を解説します。
ポタアンコース
USB DACコース
✔ BH1
Amazonなどでも販売されているビートソニックのオーディオ用配線コネクター(トヨタ・ダイハツ車用)BH1
エーモンの社外ナビ取り付け用変換ハーネスなどが定番。
Amazonでも販売されているビートソニック マイクロパワーアンプ PA2
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL
0561-73-9000
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