通好みの電装カスタム
パッシングスタートキットの取り付け方法②
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パッシング操作でエンジン始動できる、パッシングスタートキット取り付け方法の続き。取り出す配線はマニアックだが、手順どおりに進めれば特に難しいわけではない。
Pポジション信号線の取り方
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「パッシングスタートキットの取り付け方法①╱必要な配線の種類」の続き。今日は、実際の車への取り付け方法についてガイドしていきます。
●レポーター:イルミちゃん
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ここでのモデル車はRAV4ですが、下記のトヨタ車(※)は、だいたい同じような取り付け方法となります。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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それでは、Pポジション信号線から取りに行きます。
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それが最初の作業なんだ。
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配線的には順番はどこからでもいいのですが、RAV4の場合、コントローラー本体はセンターコンソールの奥のスペースに隠すと都合がよいので、そのあたりからバラし始めると効率よく作業できるんですよ。
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なるほど。センターコンソールのパネルは、どうやって外すの?
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まず先に、シフトノブを外します。
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シフトレバーを固定しているΩ型の金具を、マイナスドライバーや内張りはがしなどで外します。
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金具が外れたら、シフトレバーを上に引っ張って外します。
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これでシフトレバーは外れました。
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次はシフトパネルですが、ツメとクリップで固定されているので、内張りはがし等を使って外します。
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内張りはがしでこじったときに傷付けないよう、パネルに養生テープを貼って保護しましょう。
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シフトインジケーターにつながるコネクターの中に、Pポジション信号線が通っています。
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ここまで来れば、あとはつなぐだけです。
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パッシングスタートキットのピンクの線を、エレクトロタップでつなぎます。
パッシングスタートキットの適合車種一覧で、「トヨタ系3」の車種。
※50系RAV4・70系カムリ・210系カローラ(ツーリングやスポーツ含む)・220系クラウン・80系ハリアー・ヤリス・ヤリスクロスなどは、基本的にみな同じ取り付け方法。
シフトブーツを下に引き下げる。
先の細い工具などで、固定ピンを横向きに広げてぬき取る。
黄色丸の部分はツメ。
どの線がPポジション信号線なのかは車種によって異なるが、パッシングスタートキット購入者は、何番ピンの何色の線なのかが、車種別の取付説明書で分かるようになっている。
フットブレーキ線の取り方
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次はフットブレーキ線の取り方です。
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これはブレーキペダルの根元で取れるっていう話でしたよね。
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そうなんですが、アンダーカバーを外すためにはキックパネルを外す必要があり、キックパネルを外すには運転席足元のサイドステップから外さないといけません。
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そういうことか。
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というわけで、一番最初はまず内張りはがしでステップを外します。
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キックパネルについては、奥にあるキャップナットを外して、パネル全体を手前に引くようにすれば取れます。
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アンダーカバーを固定しているネジを外します。
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アンダーカバーの固定ネジは、キックパネル内にも1箇所あるので、合計3箇所です。
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そのあと、ツメを外して、アンダーカバーを取り外します。
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アンダーカバーを外したら、ブレーキパネルの根元にアクセスできるんですね~。
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ブレーキペダル根元につながっているコネクターをいったん抜いたほうが、配線はしやすいと思います。
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ブレーキを踏んだときに出力される線(フットブレーキ線)が2本あるので、その両方にコントローラー側の配線(緑╱白の先端の灰色)の2分岐線をそれぞれつなぎましょう。
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ここも、エレクトロタップでつなぐパターンですね。
どの線がフットブレーキ線なのかは車種によって異なるが、パッシングスタートキット購入者は、何番ピンの何色の線なのかが、車種別の取付説明書で分かるようになっている。
常時電源、IG電源、アースをまとめて取り出し
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次はハンドルコラムカバーを外します。
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それは……パッシング線を取るためでしたね。
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そうですね。それからRAV4の場合は、ここで常時電源、IG電源、アースなどもまとめて取れるんですよ。
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へー!
それは効率がいい。 -
まずはハンドルを90度回転させた状態で見えるネジ(左右にある)を外します。
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それからコラムカバー下側(底面)にもネジがあります。
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ネジが全部取れたら、カバーの下半分を内側に押し込むようにしてツメを外しつつ、下に引き下げてコラムカバーを外します。
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コラムカバーを取って下から配線類を覗き込むと……いろいろなコネクターが見えます(↓)
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この写真右のコネクターから電源類が取り出しできて、左のコネクターの中にはパッシング線が通っています。
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ただし、パッシング線だけはエレクトロタップではなく、いったん純正配線を切断し、それぞれの線にコントローラーの線(白と茶)をつなぎます。
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この割り込み処理のための接続コネクターも、キットに付属していますよ。
何番ピンの何色の線なのかは、車種別の取付説明書で分かる。
スタートスイッチ線の取り方
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最後にスタートスイッチまわりのパネルを、引っ張って浮かせます。
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目的はスタートスイッチ線を取ること。
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なお、パネルは完全には外れませんが、スタートスイッチを押し出す隙間ができればOKです。
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そして、スタートスイッチ裏のコネクターにつながる配線に、コントローラーの緑をつなぎます。
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なお、接続するスタートスイッチ線は複数あります。
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そこは車種によって違いがあり、2本だとしたら、コントローラーの緑の3分岐のいずれか2本をつなぐ、という具合です。
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その場合は、1本余るってことですね。
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そうですね。
余る線は、絶縁しておきます。 -
ということで、配線作業はおしまい。
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注意点としては、配線作業するさいにコネクターを抜いた場合、必ず全てのコネクターを戻した状態で、エンジンを始動させるようにしましょう。
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コネクターがつながっていない状態でエンジン始動すると……
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車両側がエラーを出します。
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配線だけつないで、まだコネクターを戻してないのに、「どれどれ」ってパッシングしたらダメよ、ってことですね。
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それをやると、そのままエンジン始動してエラーが出ることになりますので……。
ここも何番ピンの何色の線なのかが、車種別の取付説明書で分かる。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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