LED自作のQ&A
パワーLEDの放熱対策でアルミ板を使いたい。固定はどうする!?
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パワーLEDを使う自作の悩み。パワーLEDの取り扱いで、放熱は重要なポイント。そこで放熱用にアルミ板を使いたいが、パワーLEDとアルミ板は、どのように固定するのか。
パワーLEDと放熱用のアルミ板は、どんな手段でくっつけるのか?
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読者の方から頂いた、パワーLEDのDIYに関する質問に答えていきたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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自作用の部材も揃うLED専門店・イルミスタの野本研究員に聞いてみましょう。
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アルミ基板付きパワーLEDを、アルミ板にくっつけるときと同じような話ですね。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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僕もシーケンシャルウインカーを製作するときなどに、アルミ板を使いますね。
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そういえば、それと同じようなことか。
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どうやって、アルミ板にLEDを固定するのかという話なんですが……
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フムフム。
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ここでの心配はやはり「熱」なんですよ。例えば普通の両面テープだと、熱量によっては粘着剤が溶けて、外れてしまう懸念があります。
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もし剥がれたら……
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放熱できなくなって、パワーLEDが切れるか焦げるかするでしょうから、危ないです。
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よっちサンも、そのあたりを心配しての質問です。
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まず、手軽な方法としては、こういう両面テープ(↓)を使う手があります。
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へー、こんな両面テープがあるんだ! さすがサンハヤト、小回りが効いている。
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熱に強いだけではなくて、熱伝導性に優れているので、効率よくアルミ板に熱を伝えられますよ。
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そういえば普通の両面テープや接着剤だと、熱伝導という意味でもジャマをしそうな……
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そうなんですよ。
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……かといって、PCのCPUクーラーに使うようなグリス単独では、固定できるわけではないし。
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そうですね。だから今回のような用途は、「固定」と「熱伝導」の両方を兼ね備えているものを使うんです。
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それがさっきの放熱用両面テープ。
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あるいは、昔から僕がよく使っているのは、固まる放熱用シリコンです。
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固定の仕方としては、両面テープより放熱用シリコンのほうが強いです。
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普通のシリコンコーキングでも、固定ならできそうだけど……
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通常のものだと耐熱温度を超える可能性があるし、「熱伝導」という意味では、間違いなく放熱用シリコンのほうがいいですね。
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ふむ。
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上のどちらでもいいと思いますが、車のヘッドライト加工のように、一度仕上げたらそうそう手が出せない場所で使うなら、固まる放熱用シリコンのほうがオススメです。
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より強力な固定方法を、ということですね。
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そうです。ただ、強力な瞬間接着剤みたいなカンジにはならないです。ちょっとゴムのような質感だし。
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ほう。
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なので、放熱用シリコンを使うときは「貼り付け面だけでなく、フチも盛って固めておく」ぐらいな使い方もいいと思います。LEDの付け方にもよりますが。
■ 質問
パワーLEDなどは熱を持つので、放熱が欠かせないと思います。
今回、COB(面発光のパワーLED)を使ったライトを分解し、中身の「アルミ基板付きCOB」だけを、別の物に取り付けて光らせるつもりなのですが、このまま使うのは発熱が怖いので、放熱用として、アルミ板に実装したいと考えています。
この場合、アルミ板とLEDはどのように固定したらいいのでしょうか? ボルトナットで固定するのか、LED裏面とアルミ板の間にPCのCPUグリスなどを塗っているのか、瞬間接着剤でOKなのか、分かりません。
質問者╱よっち
✔ もともとアルミ基板に実装されたパワーLED。チップ単体よりも、DIYで扱いやすいので人気がある。
✔ ただし、この基板だけでは放熱としてはまったく不十分。ヒートシンクやアルミ板が必要になる。
LED専門店エルパラでも販売している、サンハヤトの放熱用両面テープ
✔ CPUグリスとは
PCのCPUグリスは、ヒートシンクとCPUの放熱板(ヒートスプレッダ)を密着させて、熱伝導性を上げるために使うもの。固定にはならない。
サンハヤトの固まる放熱用シリコーン
アルミ板で放熱が間に合うとは限らない点に注意!!
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放熱に使うアルミ板って、どこで入手しているんですか?
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ホームセンターでも、アルミ板は売っていますよ。僕は0.5ミリくらいの厚みのものを使うことが多いです。
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それなら、DIYで切断もできるか。
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まあ、普通のハサミではさすがに切れませんが……。
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配線は、アルミ板に穴を開けて裏側に出します。
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あとは放熱用シリコンで貼り付け。
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ただ、使うパワーLEDや数によっては、アルミ板だけでは放熱が追いつかないこともありますよ。
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……まあ、ヒートシンクほどの冷却性能があるわけないしね。
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例えばシーケンシャルウインカーだと8個とか10個とか、あるいはそれ以上のパワーLEDをアルミ板に並べることになるので……
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けっこうな数のパワーLEDを載せるパターンと言えます。
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だから、しばらく常時点灯させてみて、アルミ板が熱くなるようだったら、アルミ板の裏側にさらにヒートシンクをくっつけたりすることもあります。
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その場合も、放熱用シリコンで、アルミ板の裏面に貼り付け固定します。もちろん、LEDの裏あたりを狙って。
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そこまでするケースもあるんだ。
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最近はあまりやりません。発光効率の高い日亜化学のウインカー用パワーLEDなどがあるし、それほど大電流を流さなくても光量を稼げるようになりました。結果的に、熱も減っていますので。
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使うLEDの発光効率とか数によっても変わってきそう。
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そうですね。だから実装してみて、実際にアルミ板がどの程度発熱するかテストしてみないと分からないんですよ。
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なるほど。
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常時点灯させてアルミ板がほんのり暖かくなる程度なら、アルミ板だけでも問題ないと思われます。
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固定だけで安心せず、放熱効果をテストしてみてから「実戦投入」するとしましょう〜。
鉄腕ハサミなどで切る
※ この場合は付属の両面テープは使わない。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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