スマホの音楽を車で楽しむ（第7回）

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ポータブルアンプとUSB DACの違い

ポータブルアンプとUSB DACの違いは何か。スマホの音楽を高音質で聴くためにポータブルアンプを探すと、USB DACなるアイテムも、選択候補に並んでいる。しかしオーディオ初心者からすると、これは唐突な話。どっちを買えばいいのか、わかりやすく解説しよう。

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  「iPhone・Androidスマホの音楽を、音質にもこだわって車内で再生する方法 2.0」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今回は、車用として……つまり、車載用途で使うポータブルアンプの選び方について考えてみたいと思います。

  ●アドバイザー：ビートソニック ワタナベ研究員

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  ふむふむ。

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  まず基本の話。前回説明したDAC（D/Aコンバーター）が必須ですから、DAC内蔵ポータブルアンプであることが大前提。

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  DACを内蔵していないポータブルアンプだとしたら、除外ってことですね。

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  そうです。しかし今どきはスマホとUSBで接続して、イヤホンで聞く音質を上げられるDAC内蔵ポータブルアンプがいっぱい売られています。

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  むしろ選択肢が多すぎて、イヤになるほどある。

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  ちなみに、ここでアンプとしての機能を持たない、USB DACという製品も候補に入ってきます。

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  両者の違いはなんなの？

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  少し横道にそれますが、USB DACと、DAC内蔵ポータブルアンプの違いを説明しておきましょう。

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  初心者向きにお願いしますね♪

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  どちらもスマホの音声をイイ音で再生するのに使う、という点では同じような感じですが……USB DACは、スマホからのデジタル信号をアナログ信号に変換しますが、出力はRCAです。

USB DAC（※D/Aコンバーター）



RCAはカーオーディオでも普通によく出てくる赤・白の音声ケーブル。

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  アンプに接続するのが前提のRCAの信号では、イヤホン（スピーカー）をドライブする力がないため、イヤホンを鳴らしきれません。

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  では、単体ではダメなの？

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  ハイ。
  USB DACは、その後ろにアンプが必要になります。

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  ……なるほど。

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  いっぽう、DAC内蔵ポータブルアンプは、スマホからのデジタル信号をアナログ信号に変換し、さらに小型アンプでイヤホンをドライブできるようにしています。

DAC内蔵ポータブルアンプ


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  ひとつで済ませるなら、DAC内蔵ポータブルアンプにしようってことね。

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  ですからイヤホンを接続して使う人にとっては、ポータブルアンプとUSB DACの違いは重要です。

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  電車通勤の人は、DAC内蔵ポータブルアンプですね。

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  しかし、今回のテーマである車載用途では、この違いは重要ではありません。

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  なんで？

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  今回の研究テーマは、「スマホの音声を車の中でイイ音で聴く」ことです。

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  そうですね。

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  その大前提のために、PA2を純正ナビと純正スピーカーの間に割り込ませます。つまり、アンプはもうすでにある。



✔ アンプの取り付け方は、「パワーアンプの取り付け方╱車の純正配線を切らない接続方法」参照。

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  そういえばそうだ。PA2自体、そもそもアンプじゃないか。

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  この場合はスピーカーのドライブ力は、PA2が担います。そしてポータブルアンプからは、音声信号だけをもらうようなカタチとなります。



PA2側の、RCA入力端子。

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  つまり、スマホのデジタル信号をアナログ信号に変換してくれるだけの、USB DACでもいいのです。

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  スマホ（デジタル信号）→USB DAC（信号の変換）→PA2（信号の増幅）→純正スピーカーというコースになるんだ。

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  そういうことでございます。

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  というか、どちらかといえば、USB DACのほうが無駄がない。……ポータブルアンプなんて、いらないのでは？

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  しかし現実的には、DAC内蔵ポータブルアンプのほうが圧倒的に選択肢が多いですから、除外するのは早いです。ここには別の事情もあります。

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  今回の車載用途でポイントになるのが、ボリュームが付いている製品であること。

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  ボリュームって、音量調整のツマミのこと？

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  そうです。PA2もゲイン調整はできますが、日常的に操作するボリュームは付いていません。



✔ PA2は、純正ナビに割り込ませて裏に隠すので、普段のボリューム操作はナビ側で行うことを想定している。

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  ナビの音量ならナビで操作すればいいのですが、スマホの音声はナビを経由せずに、PA2（アンプ）に入ることになります。

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  ナビを通さないからこそ、音質が良くなる。

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  そうです。しかし、だとするとポータブルアンプ側、またはUSB DAC側に、ボリュームがほしい。音量操作を簡単に行うためにも。

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  そういうことか。

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  ただ、一般的に、DAC単体にボリュームが付いているのは珍しいと言えます。基本的には、以下のような感じですので。

DAC内蔵ポータブルアンプ

✔ 基本的にはボリュームが付いている。

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※ボリュームが付いていないものも、たまにある。

USB DAC

✔ 基本的にはボリュームが付いていない。

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※ボリュームが付いているものもある。

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  PA2と組み合わせる場合はどちらでもいいのですが、ボリュームが付いていることが前提条件となります。

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  ふむ。
  なるほどね。

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  という意味では、選択肢が多いのはやはり、DAC内蔵ポータブルアンプのほうなんですよ。

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  条件を満たせるUSB DACは少ないってことか。納得。

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  ここまでが製品選びの基本的な条件。……そして、車載で使うという視点で見ると、もうひとつ重要な注意点があります。