スマホの音楽を車で楽しむ(第5回)
スマホの音楽を車内で(イイ音で)聴くために、外部アンプを割り込ませる方法
![スマホ内の音楽データを、車のスピーカーで聴いているイメージ](../images/recipe-51-01.jpg)
車でスマホの音楽を聴く……だけでなく、イイ音で聴くための連載。前回は、見やすく&わかりやすく解説する目的で、いわゆる机上で配線作業を行ったが、今回はそれを実際に車内で再現した。
純正ナビに外部アンプを(配線加工ナシで)割り込ませる方法
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●レポーター:イルミちゃん
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前回紹介した配線作業を、実際に車内で再現したいと思います。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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まず、配線の全体像をつかんでおきましょう。
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基本的には、PA2(パワーアンプ)を純正ナビと純正スピーカーの間に割り込ませることができれば、勝ちです。
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そうですね。PA2さえ割り込んでしまえば、あとは、ポータブルアンプ経由でスマホをつなぐだけですので。
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上の部分は、助手席グローブボックス内などに収めておけばよいと思います。
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つまり、今回の取り付け作業のポイントは、「外部アンプであるPA2を、どのようにして純正ナビと純正スピーカーの間に割り込ませるか」です。
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ちなみに、スピーカー裏などは触らないので、ドア内張りなどを外す必要はありません。
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ほー。
どこで作業するのでしょう? -
ナビ裏だけで配線作業は完結します。だから、ナビが外せる人なら誰でも出来るレベルの作業内容なんですよ。
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へー。
では、まずはナビを外していきましょう。
![車でスマホの音楽を聴く、理想的な再生環境の全体像](../images/column-496-02.jpg)
アンプ以降のつながりはシンプル
![外部アンプ、ポータブルアンプ、スマホのつながり](../images/recipe-51-02.jpg)
![外部アンプやポータブルアンプは、車のグローブボックス内に設置](../images/recipe-51-03.jpg)
まずは純正ナビの取り外しから
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モデル車は50プリウスで、ディーラーオプションナビが付いている状態です。
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まず助手席側からつながっている、横に長いパネルを外します。
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このパネル(↑)はハンドル横まで一体型でつながっています。
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次に、ナビ周りの枠も引っ張って外します。
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パネルが取れたら、ナビを固定しているネジを外します。
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ここまでは、一般的なナビの取り外し工程ですね。
![50プリウスのセンターパネル取り外し](../images/recipe-51-04.jpg)
裏側につながる配線カプラーも抜く
![センターパネル裏、純正配線のカプラーを抜く](../images/recipe-51-05.jpg)
![純正ナビの周りのパネル取り外し](../images/recipe-51-06.jpg)
![純正ナビを固定しているネジを外す](../images/recipe-51-07.jpg)
ナビが外れた
![純正ナビが取り外しできたところ](../images/recipe-51-08.jpg)
純正ナビの配線カプラーに外部アンプを割り込ませる
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トヨタのディーラーオプションナビは、10ピン、6ピン、5ピンカプラーが定番的に登場します。今回の例だと、10ピンと6ピンのカプラーがつながったタイプです。
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ナビを外す過程で抜いたカプラーですね。
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そうですね。で、いったん抜いたら、車両側のカプラーに、ビートソニックのアダプター「BH-1」をつなぎ直すのです。
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BH1ハーネスをつなぐと、純正のオーディオ配線がギボシ端子に変換されます。
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さらにもうひとつ、ビートソニックのアダプター「BH-5」を中継して(↑)純正ナビにつなぎ直します。
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今回のナビの場合は、5ピンは未使用で、10ピンと6ピンのハーネスのみ使っています。
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これで車両側の配線にBH1、ナビ側にBH5がつながりました。
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次はPA2(外部アンプ)の配線を、以下のように割り込ませるのです。
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BH1とBH5を組み合わせることで、配線加工なしで、外部アンプの配線を割り込ませることが可能になります。
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この、割り込んでいるアンプの配線というのは……
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スピーカー線、電源線(黄色)、リモート線ですね。これらをY字に分岐させて割り込ませたことになります。
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……で、PA2につながる配線の束は、ダッシュ裏を通してグローブボックス方向へと流せばいいんですね〜。
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あとはナビのアースを取り直すのと……
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それからPA2用の電源ですが、これもハーネスを割り込ませたことで、ナビ用の電源ラインが分配される仕組みなので、ギボシ接続するだけです。
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あとはPA2のリモートケーブルの接続ですが、純正配線のアンプリモートではなく、ACC電源を取ればOK。これも割り込ませたハーネスから取れるしくみです。
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というわけで、純正配線を加工することなく、カプラーオンでアンプの配線が割り込んでしまいました。
✔ BH1
![ビートソニックのオーディオ用配線コネクター・BH1](../images/column-490-04.jpg)
ビートソニックのオーディオ用配線コネクター(トヨタ・ダイハツ車用)BH1
![車両側に残った純正配線にBH1をつないでいるところ 工程1](../images/recipe-51-09.jpg)
![車両側に残った純正配線にBH1をつないでいるところ 工程2](../images/recipe-51-10.jpg)
![BH1によって、純正オーディオ配線がギボシ端子に変換された](../images/recipe-51-11.jpg)
✔ BH5
![ビートソニックのトヨタ純正ナビ配線コネクター・BH5](../images/column-490-05.jpg)
ビートソニックのトヨタ純正ナビ配線コネクターBH5。適合はビートソニックHPで確認しよう。
![外した純正ナビ側のカプラーに、BH5をつないでいるところ](../images/column-490-06.jpg)
![BH1、BH5に対して、外部アンプであるPA2の配線がつながる(接続図)](../images/column-490-08.jpg)
配線の束がY字に分岐した
![純正ナビのオーディオ配線がY字に分岐し、外部アンプへとつながっていく](../images/recipe-51-12.jpg)
アース接続
![純正ナビのアース接続作業](../images/recipe-51-13.jpg)
![外部アンプ用の電源を取っているところ](../images/recipe-51-14.jpg)
![外部アンプ用のリモートケーブル接続](../images/recipe-51-15.jpg)
✔ 今回はスマホ音源を割り込ませるためにやっているが、PA2アンプを割り込ませている時点で、純正ナビ→純正スピーカーから出る音質も良くなる。これはこれで、オススメの技と言える。
PA2(外部アンプ)を割り込ませたら、ポータブルアンプの接続
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ここまでできたら、あとは、アンプ以降の配線(↓)
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この部分はグローブボックス内などに隠しておけばよいと思います。
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あとは音声がひずみなくキレイに聞こえるように、PA2のゲイン調整を行って終了です。普段のボリューム調節は、ポータブルアンプのボリュームで行います。
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……という意味でも、ポータブルアンプはグローブボックス内に設置しておくのが良さそうです。
![外部アンプ、ポータブルアンプ、スマホのつなぎ方(配線方法)](../images/column-487-04.jpg)
![外部アンプやポータブルアンプは、車のグローブボックス内に設置](../images/recipe-51-03.jpg)
![ビートソニック・渡邊悠二](../images/adv-watanabe.jpg)
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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