DIYラボ的・秋の交通安全キャンペーン(第2回)
三角表示板(三角停止板)は義務なの? 義務じゃないの?
三角表示板(三角停止板)に、車載の義務はあるのか。緊急時の重要アイテムでありながら「よくわからないけど、車載工具の中に入っているのでは?」とあいまいな扱いになりがちな三角表示板。ここで、立ち位置をハッキリさせておこう。
発炎筒とは違い、三角表示板(三角停止板)に車載義務はないのだが……
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初日は、非常信号灯について解説しましたが、高速道路上の二次事故を防止するアイテムとして、もうひとつ重要なのがこちら(↓)
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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非常信号灯(発炎筒など)は、車に積んでおくこと自体が義務ですね。
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ハイ。それに対して、三角表示板(三角停止板)は車載義務はありません。
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そうなんだ。
義務ではないのか。 -
しかし、高速道路上で、故障などによって停車したときは、停止表示器材を設置する義務があります。
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義務ではないと言いながら、けっきょく義務なんですね。
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高速道路には乗らない人もいますからね。搭載しておくことまでが、義務ではないのです。
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だけど、高速道路を走る人にとっては、非常信号灯も三角表示板も、実質的には義務ってことになる。
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そうなんですが、発炎筒は標準装備されているアイテムなのに対して、三角表示板は、標準装備されていないんですよ。ココが問題。
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……それはなぜ?
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搭載義務はないからですよ。
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……なんだかなぁ、という気もしますが。
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純正オプションで購入していない限りは、基本的に新車にも中古車にも搭載されていないので、自分で買って積んでおきましょう。
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「車載工具に入っているんだろう」なんて思っていると、高速道路上でバーストしたときに大変なことになりますね。
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そうなんです。
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具体的には、どう困るのか想像してみましょう。
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持っていないと、「故障車両表示義務違反」です。切符も切られるし、後続車両に対しても、非常に危険です。
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発炎筒だけでは、5分程度で消えてしまうっていう話もありましたしね……。
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付け加えると、私の知り合いの話ですが、道路公団の人にもめちゃめちゃ怒られます。……当然ですね。
秋の行楽シーズンに備えての、安全キャンペーン2日目。
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
三角表示板(三角停止板)
Amazonでも販売されているエーモン 三角停止板(6640)
ここで法規のおさらい。カンタンに言うと、こういうことです
非常信号灯 | 装備の義務 |
---|---|
三角表示板 | 表示の義務(※) |
(※)高速道路上での緊急停車時
標準装備は発炎筒だけ
三角表示板(三角停止板)も風ですぐ倒れるようなモノでは危険
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ところで中塚研究員。
三角表示板を自作する方法を教えてほしいのですが…… -
ここは自作ではなく、ぜひエーモン製を買ってください。材料費よりよほど安いです。
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しかし、形も単純だし、この位は作れそうな気も……
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三角なら、何でもいいと思っていませんか?
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……ウッ。
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エーモンの三角表示板(※製品名は三角停止板)は、単なる三角マークではありません。
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と言いますと?
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構造・性能基準試験に合格し、国家公安委員会の型式認定を受けております。
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国家公安委員会が出てきた!! (*゜д゜*)
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そうなんですよ。
試験とかも受けているし。 -
なんかスゴそうだけど、どんな試験?
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例えば、風速18m/sの強風を、3分間当て続けても倒れない……とか、そういった試験です。
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確かに風でパタンと倒れるようでは、困りますね。
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足の部分の路面摩擦力の強さとか、温度変化に左右されない新構造スタンドとか、いろいろとコダワリがあります。
三角表示板(三角停止板)を設置することの危険もある
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ところで、三角表示板(三角停止板)の設置のルールについてもおさらいしておきましょう。
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どうやって設置するんでしたっけ?
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三角停止板は車両の後方50m以上を目安にして、後続車両の見やすい位置に置きます。
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……けっこう遠くまで、歩かないといけない。
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そうなんです。時速100キロの車が次々と走ってくる高速道路上ですので、設置すること自体にも危険があります。
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そのときに後続車に跳ねられたら、何にもならない。
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ですので、ここは前回紹介した、LEDの非常信号灯を点灯させて……
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それを手に持って移動しましょう。非常信号灯も、三角表示板と同様に後方に置くべきものなので、持っていく最初から点灯させていきましょう。
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LEDの非常信号灯ならヤケドの心配もないから、点灯させたままフツウに持ち歩けますね。
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そうなんです。三角表示板を設置している間も、点滅させておきましょう。
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そして非常信号灯も、そのまま50m以上後方地点に置いてくればいいわけですね。
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なお、三角表示板の組み立ては簡単ですが、イザという時に慌てないように、一度練習もしておきましょう。
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足をちゃんと出さないと、倒れやすいので、忘れないように(↓)
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設置を終えたら、高速道路の外に待避しましょう。
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故障車両表示義務……という意味では、この手順でよいのですが、さきほど言った通り、ここまでやるのにも危険はありますので。
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そうですよね。
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エーモンとしましては、他にも安全をサポートするアイテムをいろいろ用意しました。
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ほほう。
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中でも、オススメなのが、緊急点滅信号灯です。
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これは、車外に出る前に、すぐに車の屋根に設置できます。マグネットでボディに付くので。
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ナルホド。
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危険を知らせる赤と、視認性の高い緑が交互に点滅します。その光は、夜間なら400m手前からでも見えます。
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つまり、50m後方に三角表示板と非常信号灯を設置しに行くときも、50m地点よりはるか手前から、後続車両に危険を知らせることができます。
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三角表示板を設置するまでのタイムラグも、カバーしてくれますね。
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そうなんです。これは別に義務アイテムではないけれど、設置にいく際の安全という意味でも非常に効果的です。
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単に義務だからやる、ということではなくて自分や後続車の「安全」こそが本質です。
✔ 詳しくは、「発炎筒には車載義務があるの? LED非常信号灯でも車検に通る?」参照。
すかさず設置可能!
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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