板金塗装をもっと身近に

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持ち込み塗装を依頼するときに、色サンプルを用意したほうがよいケース

持ち込み塗装の依頼には実にさまざまなケースがあるが、これはその一例。塗りたい色にデータ（カラー番号）がない場合、「どんな色にしたいか」を伝えるための方法を考える。

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  今日は、「エアロやバンパー塗装の色合わせについての、よくある誤解」とは逆の話をしたいと思います。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  逆というと？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  車のパーツの塗装における色合わせは、小さな色サンプル（部品）では無理だという話をしたところですが……

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  フムフム。

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  そもそも、カラー番号のない色を塗る場合は話が別です。

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  車のボディカラーの場合は、どんな色にもカラー番号があるのでは？

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  車にはありますよ。だから「車種が○○で、ボディカラーが○○で、カラー番号が○○」という情報があれば、その色を作れます。……実際に経年変化したボディのカラーと合うかどうかは別にして。

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  ふむ。

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  しかし、板金屋が持ち込み塗装を頼まれるケースは、車のボディカラーとは限らないことだってあります。

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  ほう。
  それってどんな依頼ですか？

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  例えば……「郵便ポスト」を塗ってくれと頼まれたとしましょう。

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  え？
  なんで郵便ポストなんて塗装するの？

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  いや、これ実際にニーズのある話でして、郵便ポストって赤に塗装してあるけど、クリアまでは塗っていないから、色が剥がれるんですよ。

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  そうか。
  野外に設置してあって、雨風にさらされるから……。

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  そうなんです。それで「キレイに赤で塗り直して、クリアも塗ってほしい」って頼まれることはあるんです。

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  ホントいろいろなモノを塗ってるな～。

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  そこで問題になるのが、「赤に塗って」という点です。

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  なぜ、赤に塗装してと言われたら問題になる？

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  漠然と「赤に塗って」と言われても、赤だけで十数種類はありますからねぇ……。

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  そんなにあるんだ。

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  ○○レッドみたいな色は、たくさんありますよ。イタリアンレッドとかインパクトレッドとかインディアンレッドとか。

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  ……そういえばそうか。

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  だから「赤で塗ってください」と言われても困るんです。「赤」ってどの赤？ ってなってしまうから……

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  「赤」といっても、頭の中で想像する赤は、人それぞれの感性で違うでしょうし。

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  そう。赤の振り幅は広いんです。僕はフェラーリレッドみたいな赤を想像するけど。

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  じゃあ、家庭用の郵便ポストを赤で塗ってほしいって送られてきたらどうするの？ 問答無用でフェラーリレッドに塗るわけにはいかんよね？

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  どういう赤がいいのか、せめて写真か何か送ってほしい、みたいに頼むと思います。

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  なるほど。

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  調合データが存在しない色に塗る場合は、言葉だけではどの方向性なのかも分からない。そんな場合は、サンプルが必要になってきます。

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  では、車以外のケースでの塗装依頼なら、最初から何か色のサンプルを用意するのは有効ってこと？

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  ですね。写真だと日影で撮ったのか日の当たる場所で撮ったのかで、見え方はぜんぜん違ってしまうのが問題。塗装サンプルをいっしょに送ってもらうのは、良い方法です。

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  そっかー。

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  ただし、それと同色の赤になるという意味ではないです。ここは前回した、車のボディ同色の話と同様。

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  それは使っている塗料も違うし、そもそも何の素材の上に塗るかによっても違うから。

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  そうですね。ただ、どういう方向性の赤なのか、そのニュアンスは伝わります。

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  塗装を依頼する上で「色サンプルを用意したほうがいいのかどうか？」については、前回と今回の話で、なんとなく掴めたのではないでしょうか。