チップLEDを上手にハンダ付けするコツ
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はじめてチップLEDをハンダ付けする人のための入門記事。砲弾型やフラックスに比べると難しそうなイメージがあるが、1608のような極小チップはともかく、マトの大きい5630などを使えばやりやすい。まずは大型チップから練習するのがよい。
ここではハンダ付けしやすい大型のワンチップLED「5630」を例に説明していきますね
アドバイザー:イルミスタ・野本研究員
チップLEDの付け方
チップLEDの向き(極性)を確認する
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まずは向きの確認です。たいていのチップLEDには“切りかき”があります。LEDのカドの4つのうち、1つだけナナメに落とされている部分です。
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切りかきがマイナス側なんですよね?
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いいえ。そう決まっているわけではありません。「切り欠きマークがマイナス側を示すか、プラス側を示すものなのは、LEDによって異なる」ので、購入したLEDのパッケージで確認します。
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切りかき=プラスのチップLEDもあり得るのか。知らなかった。
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同じチップLEDでも製造ロットで変わったりするので、毎回確認が必要ですよ。
向きは毎回パッケージで確認する
コツは先に予備ハンダを盛ること
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ハンダ付けのコツとしては「先に基板側に予備ハンダを盛る」ことです。
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基板の電極はプラスとマイナスの2箇所がありますが、どちらに盛るの?
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それはどっちでもいいです。次の工程でLEDを付けに行く時に、自分がやりやすい向きになるようにすればOK。
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てゆーか、両方の電極に先にハンダを盛ってもいいですか? その方が、早くできそうな気が。
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それはダメです。
理由はあとで説明しますが、ここでのポイントは「片側のみ予備ハンダを盛る」ことです。
電極にしっかり熱を加えながらハンダをあてる
こんな感じで電極の片側にだけハンダを盛る
5630だけは例外的に放熱用シリコングリスを使う
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今回使っている5630は流せる電流も大きくて明るい大型チップLEDなので、LEDの裏面に放熱板が付いています。
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これはパワーのある5630だけの例外ですね。5630は1個あたり0.5Wもあるって教わったことあるぞ。
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そうですね。だから5630専用基板には熱を効率良く逃がせるよう、基板側にも放熱板が付いているんですよ。
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それがプラスとマイナスの真ん中にある、銀色の四角ですね。コレ何かと思った。
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両者を密着させるためにシリコングリスを薄く塗っておきます。
※この作業シーンは5630のみの例外です。
放熱用シリコンを用意する
エルパラでも販売されているシリコングリス HC-171というアイテムを使っています。
つまようじで真ん中の四角に塗りつける
いよいよチップLEDハンダ付けの極意
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チップLEDをピンセットでつかんで、向きに注意しながら最初の予備ハンダに近づけます。
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チップLEDを、横方向からハンダに当てに行くようなイメージですね。
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そしてハンダに当てた状態で予備ハンダを溶かすと、チップLEDがすっとハンダに吸い寄せられるように付きます。
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右利きの人は右手でハンダごてを持つわけだから、予備ハンダは向かって右側に盛っておくとやりやすそうです。
横方向からチップLEDを近づけて…
山に当てた状態でハンダを溶かすと吸い付く
まだ片側ですが、LEDは固定できました。次のページで反対側をハンダ付けします