車で段差を越えたときの足回り異音。原因は？

車が段差を通過する時、そのタイミングで異音が出るのは、ある意味ありがちなこと。そしてひとくちに異音と言っても、原因はいろいろだ。いつもと違う車の異音（キュ・ゴトゴト・ギシギシetc…）に耳を傾けて、原因を探ってみよう。

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  今日は、「段差を越える時に異音が出る」原因と対策について教わります。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  段差を越えるときは足まわりがストロークするので、そのタイミングで異音が出る……というのはありがちなんですけれど……、

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  原因はどこでしょうか？

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  それは異音の種類にもよるんですよね。

●よくある段差時の異音

キュ｜ザッザッ｜カタカタ｜コトコト｜ギシギシ｜ギュウギュウ｜ グググ｜ゴンゴン｜ゴトゴト｜ボコボコ
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  同じ異音でもいろいろあって、原因も違うわけですよ。

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  ナルホド。……というわけで、「異音別」に原因を探っていきましょう。

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  まずは「キュ」音。

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  「キュッキュッ」あるいは「ザッザッ」のような、「こすれる音」が出る場合は、タイヤがインナーに当たっている可能性がありますね。

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  ローダウンしている車なら、よくある話ですね。

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  そうですね。これも程度によって差があり、ガッツリ当たっている場合は異音も大きくなります。

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  フムフム。

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  まずはタイヤを外して、どこに当たっているかチェックしてみましょう。

タイヤハウス内の擦り痕を探す


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  大きい異音が出ているなら、それなりに擦り傷も目立っているはずです。

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  あ〜、ココが当たっていたのか〜！ みたいな。

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  そうなんですが、そんな風に分かりやすいケースばかりではない。

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  チョイアタリもありますもんね。

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  タイヤハウス内を覗き込んでも、「あれ〜？ どこも当たった形跡ないけどなぁ〜」ぐらいの場合もあります。

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  よーく見ないとダメですね。

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  そうです。よく見てみたら、「あ、もしかしてココか!?」ぐらいな擦り痕が見つかったりします。

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  で、擦り痕を見つけたらどうすれば？

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  当たっている場所にもよりますが、削ればかわせるとか、ちょっとインナーを叩いて凹ませればかわせる……というケースも多いです。

当たるところをヒートガンで温めてから……



ハンマーで叩いたりする



詳しくは「タイヤハウスの天井は叩くべきか？ 叩かぬべきか？」参照。

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  また別の対策方法。例えば、現時点でスペーサーが入っている。ツラを外に出したせいでタイヤの外側が当たっているなら、スペーサーを取れば消えるかもしれません。

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  あー。そういえば、ホイール位置が外側に来ると、タイヤが天井に当たりやすいという話はありましたね。

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  車のタイヤハウスの天井ってアーチ型なので、外側と内側は、真ん中より天井が低いんですよね。



タイヤは外側寄りも内側寄りも、どっちの場合も擦りやすい。

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  だから、反対にタイヤの内側（奥側）が天井に擦っているのであれば、スペーサーをかませて外に出す、という対策が有効なケースもあります。

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  なーるほど！

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  なんにしても、段差通過時に擦るような異音が出ている場合は、どこに当たっているのか、を確認してみればいいわけですね。

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  それによってどっちにタイヤを動かせばいいか、変わりますね。

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  そうです。そしてスペーサーの抜き差しができない状況なんだとすれば、当たるところを「削る」「叩く」という対策になってきます。

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  次はとっても定番。「カタカタ」です。地味に気になるヤツですね。

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  段差を越えた時の軽いカタカタ音なら、どこかのネジがゆるんでいるのでは？ という気がしますね。

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  ネジって、どこのネジだろう？

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  よくあるのが、最近の全長調整式車高調の、ロックシートのゆるみ。


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  ただ、ロックシートがゆるんでいる場合は、段差に限らずにずっと「カタカタ」「コトコト」鳴りっぱなしになることも多いです。

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  ナルホド。

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  いずれにせよ軽い感じのカタカタ、コトコト音は、どこかしらの「ゆるみ」が疑わしい。

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  車高調とは限らない？

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  それは、そうですね。最近何か取り付けした足回りパーツがあるなら、それがらみのネジのゆるみは疑ってみる価値ありです。

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  アームとか、リアアスクルとか、ラテラルロッドとか？

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  ラテラルロッドも走行中に車体が上下に動くと、ねじれるような動きをする。締め付けが甘いと、ゆるんできたりします。


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  そして、ネジというのは総じてゆるむとガタ（隙間）ができるので、カタカタ音が出だします。

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  次は「ギシギシ」。なんか、「キュ」「コトコト」より、ワルっぽい音ですね。

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  「ギシギシ」もいろいろあります。ブッシュ関係のきしみとか、あるいはボディやフレームのきしみとか。

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  きしんでいる音なんだ。

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  そうですね。スタビライザーのゴムブッシュが古くなってくると、「ギュウギュウ」鳴り出したりするのも定番。

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  フムフム。
  古くなったゴムがよじれるからか。

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  あと、ゴムブッシュに限らず、ボディ自体のきしみ音っていうのもたまにあります。そのレベルはもう、直しようがない。

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  あきらめるしかない。

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  ローダウン車で、インナー切り上げ加工などの切った貼ったをしている車だと、施工方法によっては車体からきしみ音が出たりします。


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  インナー切り上げなども、ちゃんと、きしまないようなやり方……というのがあるんですよ。鉄板同士の貼り合わせ方とか。専門的な話になってきますが。

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  エコーが効いた、反響音が聞こえる場合もあります。

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  なんだそれ？

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  バネの異音が疑わしい。スパイラルチューブみたいのを巻かないで直接バネが付けてあったりすると、バネとお皿（スプリングシート）が擦れて異音が出たりします。


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  鉄同士が擦れる音なんで、「キュ」どころではないですね。「グググ、グググ」という感じの反響音でしょうか。

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  段差を越えたときは、足回りがストロークするタイミングですよね。

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  当然そうですね。

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  このときに激しい「ゴンゴン」みたいな音がしたら、ショックが伸びきっているケースが考えられますね。

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  底付きじゃなくて？

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  激しい異音が出るのは、その逆の伸びきりですね。この場合は、鉄と鉄が当たる音なので、ゴンゴン！ゴンゴン！とスゴイ異音が出ます。

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  ……なるほど。

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  ショックを短く調整し過ぎていると、段差を拾ったときに伸びきってゴン！っていう車はけっこうあります。


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  この場合は、車高調のセッティング方法に原因があります。

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  そのあたりの方法論は「ショックアブソーバー調整方法、リアは手強い」で詳しく解説していますよ〜。

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  ちょっと鈍い、こもった感じの「ゴトゴト」「ボコボコ」音だとすると、ショック抜けが原因の場合もあります。

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  ショック抜けって？

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  ショックのガス抜けとか、オイル抜けのことです。



なお、オイルではなくガスが抜けるパターンのショック抜けは、新品でも起こりうる。その場合の見極め方は（↓）

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✔ 「ショック抜けの異音や症状は、ショップでも判断できないことが多い!?」参照。

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  オイル抜けなら、ショックを見れば分かりますね。外側がベタベタになるので。

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  な、なるほど。

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  ガス抜けだと見た目には分からない。ショックを車から外して、伸ばしたり縮めたりして、動きがヘンだとガス抜けだね、って分かる。縮めても伸びてこないとか。

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  その場合はどうするんでしょうか？

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  オーバーホールできるショックなら直せたりしますが、今のショックはだいたいアッセンブリー交換なんで、抜けたら新品に交換、というパターンも多いです。

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  ……というわけで、ひとくちに「段差通過時の異音」といっても、いろいろな原因があります。まずは原因を絞り込みましょう。